うだるような日本の夏。人間だけでなく、私たちの生活を支える車にとっても、過酷な季節です。特に毎日走り続けるタクシーや役員車は、夏の暑さによるトラブルと常に隣り合わせ。

実は夏の車内や走行環境は、普段以上に車に負担をかけているんです。

そこで今回は、日頃から車と向き合うプロのドライバーから聞いた、夏に特に起きやすい車の故障とその対策について徹底解説します。大切な車を守り、安全で快適な夏のドライブを楽しみましょう!

1.エアコンの不調・故障

夏の車内を快適に保つエアコンは、最も酷使されるパーツの一つです。

  • 症状: 「冷たい風が出ない」「風量が弱い」「異音がする」など。
  • 原因:
    • エアコンガスの不足: 長年の使用で少しずつガスが抜けている場合があります。
    • コンプレッサーの故障: エアコンガスを圧縮する重要な部品で、熱による負荷で故障することがあります。
    • コンデンサーの目詰まり: ラジエーター同様、ゴミや虫などで目詰まりすると冷却効率が落ちます。
    • エアコンフィルターの汚れ: フィルターが詰まると風量が弱くなります。
  • 対策:
    • 定期的なエアコンガスの点検・補充を行いましょう。
    • シーズン前にはエアコンフィルターの清掃や交換を忘れずに。
    • 冷えが悪いと感じたら、早めに専門家に見てもらうことが重要です。

2.オーバーヒート

「水温計の針がいつもより高い位置にある」「ボンネットから煙が出ている」といった症状が出たら要注意!オーバーヒートは走行不能に陥るだけでなく、エンジンに深刻なダメージを与える可能性があります。

  • 原因:
    • 冷却水(LLC)の不足・劣化: 冷却水が減っていたり、劣化していたりするとエンジンの熱を効率的に冷やせません。
    • ラジエーターの目詰まり: 走行中に飛び散る虫やゴミがラジエーターフィンに詰まり、冷却効率が低下します。
    • 冷却ファンモーターの故障: ファンが回らないと熱を放散できません。
    • サーモスタットの故障: 冷却水の流れを制御する部品が作動しないと、冷却が適切に行われません。
  • 対策:
    • 出発前の冷却水量のチェックを習慣にしましょう。減っている場合は補充し、定期的な交換も重要です。
    • ラジエーター周りの清掃を行い、目詰まりを防ぎましょう。
    • 水温計に異常を感じたら、無理せず安全な場所に停車し、エンジンを切ってロードサービスなどを呼びましょう。

3.バッテリー上がり

夏場はバッテリー上がりが意外と多い時期です。エアコンの使用や渋滞でのノロノロ運転など、バッテリーに負担がかかりやすいためです。

  • 原因:
    • エアコンの酷使: エンジン停止中にエアコンを使用したり、長時間の渋滞で発電量が消費量に追いつかない場合にバッテリーが消耗します。
    • バッテリー自体の寿命: バッテリーは消耗品です。寿命が近づくと充電効率が落ちます。
    • オルタネーター(発電機)の不調: 発電機が正常に作動しないと、バッテリーが充電されません。
  • 対策:
    • バッテリー液の残量や比重を定期的に確認し、必要であれば補充しましょう。
    • 2~3年を目安にバッテリーの交換を検討しましょう。
    • エンジン停止中のエアコンや電装品の使用は控えめに。
    • JAFなどのロードサービスに加入しておくと安心です。

4.タイヤのバースト・空気圧異常

路面温度が非常に高くなる夏は、タイヤトラブルも増加します。特に高速道路でのバーストは重大事故につながりかねません。

  • 原因:
    • 空気圧の不足: 空気圧が低いとタイヤがたわみ、摩擦熱でタイヤ内部の温度が異常に上昇し、バーストの原因となります。
    • タイヤの劣化・損傷: ひび割れや溝のすり減ったタイヤは、熱に弱く危険です。
    • 過積載: 定められた積載量を超えるとタイヤへの負担が増大します。
  • 対策:
    • 月に一度はタイヤの空気圧をチェックし、適正な空気圧に保ちましょう。
    • タイヤの溝やひび割れなどを定期的に点検し、劣化している場合は早めに交換しましょう。
    • 長距離運転前には、必ずタイヤの状態を確認しましょう。

5.エンジンオイルの劣化

エンジンオイルはエンジンの潤滑、冷却、洗浄など重要な役割を担っています。夏場の高温は、オイルの劣化を早める原因となります。

  • 症状: 「エンジン音がうるさい」「燃費が悪くなる」など。
  • 原因:
    • 高温による酸化・劣化: 夏場の高温環境では、エンジンオイルが酸化しやすく、粘度が低下して本来の性能を発揮できなくなります。
    • エアコン使用による負荷増大: エアコンを作動させることでエンジンへの負荷が増し、オイルに負担がかかります。
  • 対策:
    • 走行距離や期間に関わらず、夏前にはエンジンオイルの点検・交換を検討しましょう。
    • オイルフィルターも同時に交換することで、エンジンの性能をより長く保てます。

まとめ:日頃のメンテナンスで夏の故障を未然に防ぐ!

ご紹介した夏の車の故障は、どれも日頃の点検や少しの意識で防げるものばかりです。

「いつもと違うな」と感じたら、放置せずにすぐにプロの整備士に相談することが、大きなトラブルを未然に防ぐ一番の対策です。

大新東では、ドライバーの皆さんが安全かつ快適に業務を行えるよう、日頃の日常点検から手厚く研修を行います。 皆様も当社の仲間になって頂いて一緒に働きませんか?

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